2016年1月2日土曜日

寄り道ばかりですみません

 「小学校での英語教育と朝の読書の関係」について述べる前に、なぜか介護問題を一席。


 年明け第二弾は「小学校での英語教育と朝の読書の関係」について寄稿する予定ですが、その前に「介護問題」について考えてみます。

 わが老母はこの3月が来ると満92歳になります。大正13年3月25日が彼女の誕生日です。考えてみれば関東大震災や2.26事件や満州事変、太平洋戦争などと言った私からすれば歴史のかなたの出来事であったことをすべて現認してきたわけで、ひょっとしたら竹久夢二にあこがれていたなんてことがあったかも知れません。

 人生の2年先輩の瀬戸内寂聴さんが大好きで、10年くらい前までは私が買って読んだ彼女の著作をすべて母にまわしておりました。食い入るように読んではいろいろ私に感想を語ったものです。

 10年前に父(わが母の夫)が88歳で亡くなってからとても元気になりました。嘘では無くて本当です。元気になったわけは分からないではないが、ここでは控えておきましょう。

 88歳を過ぎたあたりから少しづつ頭の働きがゆっくりになってきました。動作もやや緩慢になってきました。近所に母とは小学校時代からの同級生(すなわち同い年)のおばあさんが二人もおられます。

 ついでに言うと私は大津市立石山小学校卒業ですが、なんと母も同じく石山小学校卒業の24年もの大先輩でもあります。昭和5年ごろの入学になるはずです。おまけに校舎まで同じで戦前の木造校舎でした。ひょっとしたら同じ教室を使っていたかもしれません。

 現在は週3回のデイサービスと月2回の一泊のショートステイの介護サービスを受けています。介護施設の職員さんは本当に親切で頭が下がります。自分がもし介護施設の職員だったらあそこまでできるだろうかと思うくらい誠心誠意の介護をしてくださっています。

 先日、「チャンネル大津開局記念フォーラム」が淡海21で開催され、私もパネラーとして出席して大津市の教育行政の問題点について話しました。
「英語教育問題」と「いじめ対策問題」で越市長の教育行政を批判したのですが、今般の大津市長選挙に立候補予定である「ゆーさん」こと川本勇さんのコーディネートで進められました。

 アドバイザーとして出席されていた湖南市の谷畑市長とは旧知の間柄でしたので、「ゆーさん」の軽妙洒脱な司会を介して同じ県内の市長である谷畑市長の教育行政に関するコメントもお聞きでき、討論もさせて頂きました。

 越市長とはかくも違う、積極果敢で人情味あふれる市長が大津市のすぐ隣におられるのは羨ましくもあり、また頼もしくもありました。谷畑市長は越市長が「教育委員会不要論、解体論」をぶち上げたときに、「チャンチャラおかしい」と喝破した人です。「何をわかったふうなことを言っているのだ」との思いでしょう。私も全く同感です。

 橋下徹前大阪市長のような現状打破、行財政改革を目指すのであれば、越市長の最大の問題点、致命的欠陥である「コムニュケーションできない」という個性をまず鍛えなおしてから出直してほしいと思います。

 「聞く耳を持たない」のではなく「聞く耳をもてない」のは大津市役所3000人の職員のトップとして明確に「アウト」ですし、ましてや最も大切な大津市民34万人の代表としても資格剥奪に相当する致命的欠陥です。この市長の下では、大津市民は200%「しあわせ」になれません。

 話が少しそれましたが、本題に戻しますと、そのアドバイザーの谷畑市長の横に市民運動・NPOコーディネーターの阿部圭宏さんがおられました。私はその時が阿部さんとは初対面でしたが、たまたまトイレで出くわして、簡単だが極めて重要な「介護談義」が出来たのです。

 私は「母の下着を毎日洗濯しています、いずれはいわゆる“しものせわ”もすることになるでしょう。息子が母親の下着を洗濯するのをどう思われますか?」と問うたのです。

 氏の答えは簡潔明瞭でした。「わたしもやっています。だいたい団塊の世代を境目にして、それより上の世代の男は総じて息子が女親の下着の洗濯や“しものせわ”をすることに強い抵抗感を持っていて、たいていは自分の妻か女兄弟にそれをさせる人が多いようです。それより下の世代の男はたいていは自分でやります。」との答えでした。

 なぜ団塊の世代がボーダーライン上になるのかは、社会学的に興味深いテーマではあるが、事実はそのようであります。

 居宅介護の行く先は結局“しものせわ”に行きついて、それを誰がどのようにするのかが問題になります。いわゆる「介護離職」もここにその物的基礎・原因があります。

 私はまさにボーダーライン上の団塊の世代の人間です。私はたまたま諸条件が私にそれをするように要請し、私がそれを受け入れざるをえなかったということになります。

 昨年(だったかな)亡くなられた、ジャーナリストの三宅久安さんの名言に「女房、納税、墓参り」というのがあります。世の中に3つだけ好きなことがあって、その3つが「女房、納税、墓参り」だというのです。人生ここまで達観できたらもう言うことはありません。

 更に極めつけは「人は何のために大学まで行って学問を修めるのですか」との問いに

「それは親孝行を学ぶためです」と答えられたのです。学問の目的は「親孝行をすることを学ぶ」ことだったのです。

 一流大学を出て、立派に学問をおさめ社会的地位や名声を博しても、親孝行(親の看護や介護)ができない人は、結局「学問を修めるのに失敗した人」ということになるのでしょうか。

 日本の文化・風土は奥深いですね。

 それにつけても越市長さま、大津市の介護保険料や国民健康保険料は高すぎます。私のような年金収入だけで暮らす人間から、高々夫婦二人の年額300万円にも満たない年金収入から、その総額の30%にもなる年間保険料を収奪しないでください。これが「住み続けたくなる大津市」ですか。せめて20%ぐらいにはならないものでしょうか。

 高齢者福祉にカネを回したがらず、そのいっぽうで自己責任増大には斟酌なし。これが失政でなくて何でしょうか。.


滋賀県のまち風景、大津市なぎさ公園、冬の夕暮れ。







6 件のコメント:

  1. こういう越市長の難点は大津通信が語り尽くしました。富田氏から聞かされるまでもない。
    早く教育行政そのものを書いてくださいよ。イライラします。

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  2. 予断と偏見に陥らないためには、より多くの異なった観点からの意見を聞くことが大切です。
    今日の゛寄り道”の中で、富田さんは『一流大学を出て、立派に学問をおさめ社会的地位や名声を博しても、親孝行(親の看護や介護)ができない人は、結局「学問を修めるのに失敗した人」』という人間味溢れる物差しで越市政を測り、ご自身のお母様の介護体験、年金生活者の観点からも失政であると論じておられます。心から共感するとともに心温まりました。

    大津通信も富田アーカイブもアクセス数は伸びる一方ですから、「いやいや越市政はかくかくしかじかの業績があり素晴らしい」と反論したい市民にも市職員にも機会が開かれています。
    マスコミや特定のグループのプロパガンタに惑わされないためにも、今後の更新やコメントに注目したいと思います。

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  3. 結局、川本勇を応援するだけのブログ?
    教育をダシにするつもり?前大津市教育長が。

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    1. 越市長の事実をさらけ出してもらって、直視しましょうよ。
      どうして越派は大津通信同様、こういうコメントしか書けないのかと、悲しくなります。
      富田さんは教育を出汁に南下していませんよ。

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    2. 残念でした。蔦田派です。

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  4. こういった介護に関するエピソードが、祖母の介護が政治の原点という現職からも聞こえてくるべきですね。
    さて、教育、いじめ論を楽しみにしている身としては、選挙までにすべからく出していただきたいと考えています。
    様々なご事情もあるかと思いますが、少しペースをあげていただきたいなぁと、一読者として希望します、

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